熱処理Vol.12〈アルミの熱処理について〉│ 理化工業株式会社 技術用語解説ブログ

熱処理Vol.12〈アルミの熱処理について〉│ 理化工業株式会社 技術用語解説ブログ

今回はアルミ合金の熱処理について説明するよ!

 

アルミ合金?

だけじゃなくて、アルミニウム

強度を変えることができるの?

 

そうなんだ!

アルミ合金も鉄と同じように熱処理を施すことで軟化させたり、

硬くさせたりすることができるんだよ!

 

でも、すべてのアルミ合金を熱処理できるわけじゃなんだ・・・

 

熱処理型合金と呼ばれる

アルミ合金(2000・6000・7000系材)

特別な熱処理を施すことで

強度を向上させることができるんだ!

 

アルミ合金にも熱処理を施すことができるなんて

知らなかった~!

 

でも、特別な熱処理ってどんな熱処理なの?

 

容体化処理時効処理という熱処理を行って、

アルミ合金の性質を変化させるんだよ!

 

溶体化処理とは、

アルミ合金の中にある元素を均一に溶け込ませる処理のこと。

なんと、500~550℃付近という高温、

その上、狭い温度領域の中で処理をするんだ!

そのあと、水の中での急冷処理を行うことによって、

過飽和固溶体の状態にするんだよ。

 

なんだか難しくなってきた・・・

そうすることで強度が高くなるのかな?

 

まだまだ!

高温での容体化処理をした後、急冷処理を行って、

さらに時効処理を行うんだ!

 

時効処理というのは、

室温~200℃付近の温度で過飽和固溶体の状態を保持すること。

この処理を行うことで、アルミ合金元素の析出が起こり、

転移の動きを止め、強度を高めるんだ!

 

この2つの特別な熱処理を行うことで、

アルミ合金は強度を得ることが出来るんだよ!

ちなみに理化工業でも、T4、T6、T73の処理が可能です!

 

T4・T6・T73処理??

 

アルミ合金の熱処理で一番よく行われているのが

「T6処理」なんだよ。

溶体化処理の後、人工時効処理を行って

高い強度を得ることが出来るんだ!

 

次に「T73処理」なんだけど、

この処理はさっきのT6処理と同じで、

溶体化処理の後に時効処理を行うんだけど、

T6処理よりもさらに長い時間をかけて時効処理を行うんだ。

 

そして「T4処理」も同じように

溶体化処理の後に時効処理を行うんだけど、

時効処理は自然時効させる処理なんだ。

溶体化した後、

約96時間程度室温で保管し安定化させる処理なんだ。

 

アルミにもいろいろな複雑な熱処理があるんだね~。

 

熱処理は奥が深くて難しい!

だけど、仕組みがわかると面白いんだ~。