熱処理Vol.12〈アルミの熱処理について〉│ 理化工業株式会社 技術用語解説ブログ
- 2024.12.06
- 熱処理

今回はアルミ合金の熱処理について説明するよ!
アルミ合金?
鋼だけじゃなくて、アルミニウムも
強度を変えることができるの?
そうなんだ!
アルミ合金も鉄と同じように熱処理を施すことで軟化させたり、
硬くさせたりすることができるんだよ!
でも、すべてのアルミ合金を熱処理できるわけじゃなんだ・・・
熱処理型合金と呼ばれる
アルミ合金(2000・6000・7000系材)に
特別な熱処理を施すことで
強度を向上させることができるんだ!
アルミ合金にも熱処理を施すことができるなんて
知らなかった~!
でも、特別な熱処理ってどんな熱処理なの?
容体化処理と時効処理という熱処理を行って、
アルミ合金の性質を変化させるんだよ!
溶体化処理とは、
アルミ合金の中にある元素を均一に溶け込ませる処理のこと。
なんと、500~550℃付近という高温、
その上、狭い温度領域の中で処理をするんだ!
そのあと、水の中での急冷処理を行うことによって、
過飽和固溶体の状態にするんだよ。
なんだか難しくなってきた・・・
そうすることで強度が高くなるのかな?
まだまだ!
高温での容体化処理をした後、急冷処理を行って、
さらに時効処理を行うんだ!
時効処理というのは、
室温~200℃付近の温度で過飽和固溶体の状態を保持すること。
この処理を行うことで、アルミ合金元素の析出が起こり、
転移の動きを止め、強度を高めるんだ!
この2つの特別な熱処理を行うことで、
アルミ合金は強度を得ることが出来るんだよ!
ちなみに理化工業でも、T4、T6、T73の処理が可能です!
T4・T6・T73処理??
アルミ合金の熱処理で一番よく行われているのが
「T6処理」なんだよ。
溶体化処理の後、人工時効処理を行って
高い強度を得ることが出来るんだ!
次に「T73処理」なんだけど、
この処理はさっきのT6処理と同じで、
溶体化処理の後に時効処理を行うんだけど、
T6処理よりもさらに長い時間をかけて時効処理を行うんだ。
そして「T4処理」も同じように
溶体化処理の後に時効処理を行うんだけど、
時効処理は自然時効させる処理なんだ。
溶体化した後、
約96時間程度室温で保管し安定化させる処理なんだ。
アルミにもいろいろな複雑な熱処理があるんだね~。
熱処理は奥が深くて難しい!
だけど、仕組みがわかると面白いんだ~。
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