熱処理Vol.11〈連続炉とバッチ炉の違いはナニ?〉│ 理化工業株式会社 技術用語解説ブログ
うーん…
どうしたの?
熱処理に使う炉っていろいろあるけれど、
何がどう違うのか、よくわからなくて・・・
じゃあ、今日は連続炉とバッチ炉について説明するね!
まずは連続炉。
熱処理は加熱と冷却で1セットなのは知っているかな?
Vol.1の「熱処理とは」のページで勉強したよ!
熱した鋼を冷やすことでさらに硬くするんだよね!!
そう。
加工素材が連続的に移動できる機構を備えた
装置のことを連続炉って言うんだ。
加熱と冷却の処理を連続的にできるんだよ。
理化工業には、メッシュベルト式連続炉があって、
焼入れ→油冷却→洗浄→焼き戻しの熱処理工程を
連続的に一本のラインで行えるんだよ。
コンベアに載せたら、最後の作業までやってくれるなんて
とっても便利だね!
連続炉とは逆に、
加工材料の形状に応じてカゴや治具にセットして、
焼入れ、洗浄、焼き戻しをそれぞれの機械で
断続的に行う炉のことをバッチ炉って言うんだ。
手間がかかりそうだね・・・
もう便利な連続炉でいいんじゃない?
バッチ炉って、なんだか効率が悪そう・・・!
そうでもないんだよ。
連続炉では、どうしても打痕や紛失が少なからず発生するんだ。
そして、一番大きな問題は
全然違う製品が混ざってしまうことなんだ。
歪みなどが許されない製品の品質を担保するには
やっぱりバッチ炉が必要なんだ!
連続炉で起こるさまざまな問題の解決策はないの?
歪みの問題は、バッチ炉で治具を駆使して
極力少なくすることができるよ。
混入問題は、選別工程を増やすことでしか、
今のところは対応策がないのが現状なんだよ・・・
じゃあ、
連続炉とバッチ炉、
それぞれどんな製品に向いているの?
連続炉には、素材調質、
例えば、ボルト・ナット・タッピングなどの
大量生産品が向いているよ。
バッチ炉には、キズや歪み、変形などを起こしてはいけない製品
例えば、歯車部品、複雑形成品、大型部品、
工具なんかに向いているね。
それに、小ロット生産品にも向いているよ。
便利なだけじゃダメなんだね・・・!
熱処理って奥深いんだよ!!
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