熱処理Vol.5〈高周波熱処理とは〉

熱処理Vol.5〈高周波熱処理とは〉

今回は高周波熱処理について説明するね!

高周波熱処理って聞いたことある?

聞いたことあるけど、何かわからない・・・

説明しよう!

高周波熱処理とは!

鋼に高周波の電磁波による電磁誘導を起こし

表面を加熱させて焼入れを行う

熱処理の手法のことである!

(by Wikipedia)

???

って言っても分からないよね!

鋼にコイルを巻いて高周波の電気を流すと

鋼の中に渦電流が発生するんだ。

渦電流は鋼表面に集まるからその抵抗熱を使って

加熱、焼入れする方法なんだよ。

??????????

やっぱり難しいよね!

めちゃくちゃ簡単に言うと

超強力なIHコンロみたいなものだよ。

電気を使って鋼を温めているんだ!

IHコンロでフライパンを温めるみたいに

焼入れをするってことか。

他の焼入れとはどう違うの?

今回は原理ではなく特徴をメインに説明するね!

高周波熱処理では製品の狙った表面だけ

硬くすることが出来るんだ。

浸炭熱処理でも防炭すれば

狙った部分だけ硬くできるんじゃないの?

そんな気がするよね!

でも高周波浸炭は似てるようで全然違うんだ。

浸炭はどうやって硬くしたか覚えてる?

炭素を表面から浸透させることで

表面の炭素濃度を上げて硬くするんだよね?

よく覚えてたね!

じゃあ防炭した部分はどうなるかわかる?

え?元のままじゃないの?

そう思いがちだけど実は違うんだ!

防炭をしても焼入れはされているから

浸炭はしてないけど硬くなっているんだ。

そっかー

焼入れしてるのは全体だもんね。

ここで高周波の話に戻るよ。

高周波熱処理狙った部分だけ加熱して

焼入れするから他の部分は熱処理前の状態から

変化しないんだ!

そっか!

浸炭と違って他の部分は元のままなんだ!

その通り!

だから製品の一部だけ

硬くするのに適しているんだよ。

高周波熱処理って最強じゃん!

でも注意点があって

高周波熱処理鋼材の炭素量で

硬さの上限が決まってしまうから

炭素量の低い鋼材や

複雑すぎる形状の製品は

コイルが作れないこともあって

処理が難しいんだ。

熱処理も適材適所なんだね!

熱処理って難しいんだね。

熱処理って奥深いんだよ!