金属熱処理に関する用語「ら行(らりるれろ)」
- ラジアントチューブ
- 加工材料の直接加熱を避け、熱源と雰囲気ガスとの混合を防止するために、熱源を封入した耐熱輻射管をいう。
- 流動床炉熱処理
- アルミやシリカなどの微粉末を加熱し、床底から熱風を吹き込んで粉末を流動させる炉のこと。
- 粒界酸化
- 熱処理において、鋼の表面層の結晶粒界が熱処理雰囲気中の酸素によって、酸化される現象で、内部酸化の一種。粒界酸化が生じた周辺の焼入性が低下し、焼入れにおいて、表面層が不完全焼入組織となり、硬さの低下や疲れ強さが低下する。
- 臨界冷却速度
- 鋼材を焼入れ硬化させるのに必要な最小の冷却速度を、臨界冷却速度という。100%マルテンサイトを生ずる(完全焼入)に要する最小の冷却速度を、上部冷却速度、初めてマルテンサイトが現れ始める冷却速度を、下部臨界冷却速度という。
- 冷間加工
- 金属の再結晶温度以下において行う塑性加工。
- 冷却能
- 焼入れに用いる冷却剤の冷却能力。Hの値で表わすことがある。
- レーザー焼入れ
- レーザーによって部分加熱をする表面硬化焼入れ。
- 連続炉
- 加工材料が炉内で連続または断続的に移動できる搬送機構を装置した加熱炉をいう。
- ロックウェル硬さ
- ロックウェル硬さには2種類ある。1つは試験面を直径1/16インチの鋼球を用い、まず10kgの荷重を加えて押圧し、次に100kgの荷重とし、再び10kgの荷重に戻したときの凹みの深さ(1/500mmを単位として表す)を130より減じた数、他は試料の試験面を頂角120°、先端半径0.2mmのダイヤモンド錐体を用い、まず10kgの荷重を加えて押圧し、次に150kgの荷重とし、再び10kgの荷重に戻したときの凹みの深さ(1/500mmを単位として表す)を100より減じた数をいう。前者はロックウェルB硬さ(HRB)、後者はロックウェルC硬さ(HRC)という。ロックウェルB硬さは主として軟質鋼材ならびに非鉄金属類の硬さ測定に用いられる。ロックウェルC硬さは硬質鋼材および焼入れ試片の測定に用いられる。
- 露点
- 一定量の水蒸気を含む空気の温度を圧力一定のもとで下げていくとき、水蒸気が凝縮しはじめる温度をいう。
- 炉冷
- 炉冷とは炉内において炉と共に徐冷する操作。炉例は焼なましの際に用いられる冷却方法である。